イガヤ・チハル。国際オリンピック委員。冬季オリンピックスキー回転銀メダリスト。
7月9日、シンガポールで開かれた国際オリンピック委員会(IOC)総会の最終日で役員改選投票が行われ、猪谷千春委員が副会長に初当選。
1931年、北海道・国後島生まれ。父は日本スキー界の先駆者である猪谷六合雄。父の指導で2歳からスキーを始める。立教大学に入学後、アメリカのダートマス大学に留学し、一般教養学部を卒業。その後56年のコルティナダンペッツォ(イタリア)冬季五輪でアルペンスキー男子回転に出場し、日本の冬季五輪史上初のメダルとなる銀メダルを獲得した。引退後は実業界で活躍する一方で82年にIOC委員に就任。87年には理事に初当選し、長野冬季五輪の招致から開催の期間に理事を2期務めた。その他にもスポーツ界の多くの要職を務めている。今回の副会長選で当選したのは、猪谷とギリシャのランビス・ニコラウの2名。92年、2000年の落選を経た3度目のチャレンジだった。任期は4年で、日本人の副会長は79~83年の清川正二(故人)以来2人目となる。