アラン・グリーンスパン。Alan Greenspan。前米連邦準備制度理事会議長。
1月31日、5期18年余りにわたりアメリカの連邦準備制度理事会(FRB)議長を務めたアラン・グリーンスパンが退任。
1926年、ニューヨーク生まれ。高校卒業後にジュリアード音楽院に進み、プロのジャズミュージシャンを志したが、その後ニューヨーク大学に入学、経済学を学ぶ(77年に同大学より博士号)。金融コンサルタントを経て、74年から77年までフォード大統領の下で大統領経済諮問委員会(CEA)の委員長を務める。87年、レーガン大統領に任命されFRB議長に就任するが、わずか2カ月後にニューヨーク株式相場が大暴落。「ブラックマンデー」と呼ばれる金融危機に瀕したが、「経済・金融システムを支えるために資金提供の用意がある」との緊急声明で市場に落ち着きをもたらした。その後も、アジア通貨危機(97年)やITバブルの崩壊(2000年)、アメリカ同時多発テロ(01年)など難題に直面するが、緊急利下げや民間金融機関の救済など、時に強引といわれるほどの指導力で切り抜けた。連邦準備制度理事会とはアメリカの金融政策の最高意思決定機関。後任の新議長には、現ブッシュ政権でCEA委員長を務めた経済学者のベン・バーナンキが就任した。