キムラ・ショウサブロウ。歴史学者。
10月17日、西洋史研究の第一人者で、『ヨーロッパとの対話』などの著作でも知られる、静岡文化芸術大学学長で東京大学名誉教授の木村尚三郎さんが肝細胞がんのため死去。76歳。
1930年、東京生まれ。53年に東京大学文学部西洋史学科を卒業後、日本女子大学、東京都立大学などで助教授を務め、76年、東京大学教養学部の教授に。専門は中世のフランス荘園史。フランスへの留学体験から農業の重要性を唱え続けた。東大を定年退官後は、国土緑化推進機構理事長やトヨタ財団理事長、食料・農業・農村基本問題調査会会長などを歴任。2005年の愛知万博「愛・地球博」では総合プロデューサーを務めた。ヨーロッパ史や現代文明論、比較文化論に精通し、日本エッセイスト・クラブ賞(1975年)を受賞した『ヨーロッパとの対話』をはじめ、『ヨーロッパからの発想』『文化の風景』など数々の著作がある。