タカハシ・セツロウ。漆芸家。
2007年4月19日、長野五輪の公式記念メダルもデザインした、漆工芸の高橋節郎さんが、肺炎のため死去。92歳。
1914年、長野県生まれ。38年東京美術学校(現・東京藝術大学)工芸科漆工部を卒業、40年に同校研究科を修了し、同年「紀元2600年奉祝美術展」に入選。41年、文展で「木瓜の図二曲屏風」が初入選、特選を受け、以来同展、戦後は日展で主に活躍。51年、「星座」で日展特選・朝倉賞、60年の「蜃気楼」で日展文部大臣賞を受賞。65年、「化石譜」で日本芸術院賞を受賞し、 76年から82年まで母校の教授を務め、後進の育成にも当たった。81年、日本芸術院会員。90年、文化功労者、97、年文化勲章を受章。漆に刀で模様を刻み、金箔や金粉を埋め込む沈金技法を用いた幻想的な作品で知られる。97年には、長野五輪の公式記念メダルのデザインを手がけた。95年、豊田市美術館(愛知県)に「高橋節郎館」、 2003年には故郷に「安曇野高橋節郎記念美術館」がオープンしている。著書に「高橋節郎/漆黒と金の物語 」「漆 黒と金の世界」がある。