オオバ・ミナコ。作家。本名、大庭美奈子。
2007年5月24日、多くの小説やエッセーを著し、現代文学の最前線で活躍した作家の大庭みな子さんが腎不全のため死去。76歳。
1930年、東京生まれ。53年、津田塾大学卒業。59年から70年まで、夫の赴任地であるアメリカで暮らす。海外駐在する日本人夫婦の生活と、その妻の心の動きを描いた小説「三匹の蟹」で、68年の群像新人文学賞と第59回芥川賞を受賞。82年、幼なじみの男女を軸に、三世代にわたる人間模様を描く「寂兮寥兮(かたちもなく)」で、谷崎潤一郎賞を受賞。87~97年には芥川賞の選考委員を務め、91年には日本芸術院会員となる。96年に脳梗塞で倒れたが、夫と過ごす日々を短歌に詠んだ「浦安うた日記」(2002年)など、口述筆記での創作を続けていた。