アラン・シリトー。Alan Sillitoe。作家、詩人。
2010年4月25日、1950年代に出現した体制批判派作家「怒れる若者たち」のひとりで、「長距離走者の孤独」などの小説で知られるアラン・シリトーさんが死去。82歳。死因は明らかにされていないが、長年がんで闘病を続けていた。
1928年3月4日、イギリスのノッティンガム生まれ。貧しい労働者階級の出身で、14歳で学業を離れ、自転車工場で働いた後、46年から49年まで無線オペレーターとしてイギリス空軍に勤務。任地のマラヤ(現マレーシア)で結核に感染し、16カ月の療養中に小説を書き始めた。その後、フランスやスペインなどを旅行し、本格的に執筆活動を開始。デビュー長編の「土曜の夜と日曜の朝」(58年)や短編集「長距離走者の孤独」(59年)では、第二次世界大戦後のイギリスの労働者階級の若者たちのやり場のない怒りや反抗を描き、50年代の「怒れる若者たち」のひとりと称され、2作品はいずれも映画化された。