アラカワ・シュウサク。美術家。
2010年5月19日、岐阜県のテーマパーク「養老天命反転地」の制作などで知られる美術家の荒川修作さんが死去。73歳。大阪市北区の国立国際美術館で初期の立体作品を集めた展覧会「死なないための葬送」が開催中だった。
1936年7月6日、愛知県生まれ。57年より読売アンデパンダン展に参加し、不気味なコンクリートの塊が木箱に横たわった立体作品、通称「棺桶(かんおけ)シリーズ」などを発表。60年には、吉村益信、篠原有司男らと前衛芸術集団「ネオ・ダダイズム・オルガナイザーズ」を結成。61年渡米後は公私にわたるパートナーで詩人のマドリン・ギンズと共にニューヨークを拠点に活動。70年ヴェネツィア・ビエンナーレでは日本代表として「意味のメカニズム」を発表するなど、芸術、哲学、科学を総合するコーデノロジストを名のり、「死なないために」をテーマに作品を制作。97年にはグッゲンハイム美術館にて日本人として初めて回顧展が開催されるなど国際的に評価された。岐阜県のテーマパーク「養老天命反転地」(95年)、三鷹天命反転住宅(2005年)などの建築プロジェクトはいまも多くのひとを引きつけている。著書に「意味のメカニズム」「死なないために」「建築-宿命反転の場/アウシュヴィッツ-広島以降の建築的実験」「建築する身体」「死ぬのは法律違反です」がある。