イシイ・ヨシコ。シャンソン歌手。
2010年7月17日、シャンソンの祭典「パリ祭」を開催するなど、日本のシャンソン界をリードした石井好子さんが、肝不全のため死去。87歳。
1922年8月4日、東京生まれ。父は衆議院議長を務めた故・石井光次郎氏。東京音楽学校(現東京芸術大学)声楽専科卒。45年、進駐軍向けのジャズ歌手となり、50年にアメリカに留学した。その後、フランスにわたってシャンソンを学び、52年にはパリでシャンソン歌手としてデビュー。ドイツ、スペインなどヨーロッパ各地で歌った後、55年に帰国した。61年に石井音楽事務所を設立し、岸洋子、加藤登紀子らを育て、63年からは、シャンソン歌手が一堂に会する「パリ祭」を毎年開催。88年には、日本人として初めてシャンソンの殿堂とされるパリのオランピア劇場の舞台に立ち、90年には同劇場で日本人初のリサイタルを開いた。92年には、フランス芸術文化勲章「コマンドール賞」を受賞。エッセイストとしても知られ、多数の著書がある。63年には「巴里の空の下オムレツのにおいは流れる」 で第11回日本エッセイストクラブ賞を受賞した。