ウエムラ・ショウコウ。日本画家。
3月11日、京都派花鳥画の伝統を引き継ぐ日本画壇の重鎮、上村松篁さんが心不全のため、京都市の病院で死去。98歳。
1902年、京都市生まれ。母はやはり日本画家で、女性で初めて文化勲章を受章した上村松園(しょうえん)。21年、西山翠嶂(すいしょう)の画塾に入門し、「閑庭迎秋(かんていげいしゅう)」を帝展に初出品、入選。28年に「蓮池群鴦図(れんちぐんおうず)」で帝展特選。また、21年、京都市立絵画専門学校(現・京都市立芸大)に入学。68年まで同校教授。
戦後、帝展が日展に変わり、47年に日展審査員に選ばれたが、48年、日本画の革新を掲げて、山本丘人、吉岡堅二、秋野不矩(ふく)、橋本明治らと「創造美術」(現・創画会)を結成。京都四条派、円山派の伝統を受け継いだ写生を尊重する花鳥画に、母松園譲りの優美な色彩感覚を注入し、品格あふれる現代花鳥画を80年にわたって追究した。代表作は「星五位(ほしごい)」、「樹下幽禽(じゅかゆうきん)」(67年日本芸術院賞)、「白孔雀」など。81年日本芸術院会員、84年史上初の母子2代となる文化勲章受章。