グレゴリー・ペック。Eldred Gregory Peck。俳優。
6月12日、「ローマの休日」や「アラバマ物語」などで知られる俳優のグレゴリー・ペックさんが老衰のため死去。87歳。
1916年、アメリカ・カリフォルニア州生まれ。大学卒業後、44年「栄光の日々(炎のロシア戦線)」で映画デビュー。「王国の鍵」「白い恐怖」「子鹿物語」「紳士協定」「頭上の敵機」と次々にアカデミー賞主演男優賞にノミネートされた。「ローマの休日」(53年)ではオードリー・ヘップバーン演じる王女とロマンスを繰り広げる新聞記者役を演じた。61年には「ナバロンの要塞」が空前の大ヒットを記録。62年の「アラバマ物語」では南部の人種差別に立ち向かう男やもめの弁護士アティカス・フィンチを演じ、アカデミー賞主演男優賞を獲得。フィンチは2003年6月4日に米映画協会が発表した「最も偉大な映画のヒーロー」の第1位にも選ばれた。1970年代以降は「オーメン」「私が愛したグリンゴ」などで存在感のある役柄を演じ、98年のテレビ映画「白鯨」が最後の出演となった。ハリウッド俳優組合会長、アメリカ映画芸術科学アカデミー会長などを歴任。69年にはジョンソン大統領から民間人として最高の栄誉とされる自由勲章を受けた。