エルンスト・マイア。Ernst Walter Mayr。生物学者。
2月3日、生物学全般の進展に多大な影響を与え「20世紀のダーウィン」と呼ばれたアメリカの生物学者、エルンスト・マイアさんが死去。100歳。
1904年、ドイツ・バイエルン州生まれ。医学を学んだのちベルリン大学で動物学に転じた。イギリスの富豪ロスチャイルドの支援で28~30年ニューギニアとソロモン諸島で鳥類を調査。32年渡米し、後に帰化。53~75年までハーバード大学動物学教授を務めた。膨大な鳥類標本の研究を通じて分類学の基本的問題である「種」の概念を確立。さらに種が「地理的隔離」によって小集団に分かれ、それぞれの小集団間の遺伝的な違いが増大することにより、種の分化が完了するという「異所的種分化理論」を発展させるなど、生物学全般の進展に多大な影響を与えた。著書に「動物の種と進化」「進化と生命の多様性」「ダーウィン進化論の現在」「これが生物学だ」などがある。