イマムラ・ショウヘイ。映画監督。
5月30日、カンヌ国際映画祭の最高賞(パルムドール)を日本人として初めて2度受賞した映画監督、今村昌平さんが、転移性肝腫瘍(しゅよう)のため死去。79歳。
1926年、東京生まれ。51年、早稲田大学文学部卒業後、松竹に入社し、小津安二郎監督らに師事。54年に日活に移ってからは川島雄三監督の助手を務めた。監督としてのデビュー作品は58年の「盗まれた欲情」で、その年のブルーリボン賞新人賞を受賞した。その後も「豚と軍艦」(61年)「神々の深き欲望」(68年)など、人間のたくましさやエネルギーを、徹底的なリアリズムで描き出す作品で高い評価を得た。83年、「楢山節考」でカンヌ国際映画祭の最高賞を受賞、97年には「うなぎ」で2度目の受賞を飾った。最高賞を2度受賞したのは同映画祭史上でも4人目の快挙だった。