オオタ・マナブ。アマチュア棋士。
2007年2月21日、アマ棋士の強豪で、「最後の真剣師」と呼ばれた大田学さんが、大腸がんのため死去。92歳。
1914年、神奈川県生まれ。9歳で、元軍人だった父親の郷里、鳥取県余戸谷町(現・倉吉市)に移る。海軍から復員後、30歳で地元の真剣師と知り合い、本格的に将棋を始めた。真剣師とは、賭け将棋で生計を立てるアマ棋士のこと。昭和20年代から40年代にかけて、自らも真剣師として全国を放浪した。その実力からプロ棋士への転向を誘われたこともあるが、拒否。やがて賭け将棋が勢いを失うと、放浪生活をやめ、1977年から大阪の通天閣囲碁将棋センターで、師範役として1局500円の指導将棋を始めた。同年、朝日新聞主催の「第1回朝日アマ名人戦」で優勝し話題に。96~97年に放送された、NHK朝の連続テレビ小説「ふたりっ子」で、ヒロインの香子に将棋を教える「銀じい」こと佐伯銀蔵のモデルともなった。 2001年の同センター閉鎖後は、同じ大阪の新世界にある将棋道場、三桂クラブで指導将棋を続けていたが、05年秋に体調を崩し、入院生活を送っていた。