カワセ・ナオミ。映画監督。
2007年5月27日、フランスのカンヌで、第60回カンヌ国際映画祭コンペティション部門の授賞式が行われ、河瀬直美監督の「殯(もがり)の森」が、グランプリに選ばれた。
1969年、奈良県生まれ。89年に大阪写真専門学校(現・ビジュアルアーツ専門学校)を卒業した後、同校の講師を務めながら制作した自主映画が、山形国際ドキュメンタリー映画祭などで評価され、注目を集める。劇場映画デビュー作となった「萌の朱雀」が、97年のカンヌ国際映画祭に出品され、カメラドール(新人監督賞)を史上最年少の27歳で受賞。以降、2000年の「火垂」、03年の「沙羅双樹」などが、数々の海外の映画祭に出品、受賞を重ねた。故郷の奈良に拠点を置き、映画制作や執筆活動を行うほか、テレビコマーシャルなども手がける。ほかの作品に「杣人物語」「追臆のダンス」、自身の出産を記録した「垂乳女-TARACHIME-」など。カンヌ国際映画祭のグランプリは、最高賞のパルムドールに次ぐ第2位にあたり、日本人監督の作品としては、1990年の「死の棘」(小栗康平監督)以来の受賞となった。