ショウノ・ジュンゾウ。作家。
2009年9月21日、「静物」「夕べの雲」など家族小説を息長く書き続けた芥川賞作家で「第三の新人」の1人、庄野潤三さんが、老衰のため死去。88歳。
1921年、大阪府生まれ。九州帝国大学(現九州大学)法文学部東洋史学科を44年に卒業後、出征して海軍少尉に任官。復員後、島尾敏雄らと同人誌「光耀」を創刊。教師や、放送局のディレクターを務めるかたわら創作を行う。55年「プールサイド小景」で芥川賞を受賞し、本格的な文筆生活に入った。平穏な日常に潜む危機や、暮らしや家族をめぐる心情を描いた家族小説で知られ、安岡章太郎や吉行淳之介らとともに第1次、第2次戦後派に続く「第三の新人」と呼ばれた。他の作品に「紺野機業場」「絵合せ」「明夫と良二」「貝がらと海の音」「庭のつるばら」 などがある。