チャルマーズ・ジョンソン。Chalmers Johnson。国際政治学者。
2010年11月20日、著書「通産省と日本の奇跡」(1982年)や「アメリカ帝国の悲劇」(2004年)「アメリカ帝国への報復」(06年)などで知られるアメリカの国際政治学者チャルマーズ・ジョンソンさんが、関節リウマチからの合併症のため死去。79歳。
1931年8月6日、アメリカのアリゾナ州生まれ。カリフォルニア大学バークレー校卒業後、海軍士官として53年初来日。55年アメリカに戻り、中国に関する研究を開始。同大学院修了後、92年まで同校などで教壇に立ったが、70年代に研究対象を日本へと移した。82年「通産省と日本の奇跡」で旧通産省(現経済産業省)主導の閉鎖的な産業政策が日本の高度経済成長を支えたと分析してみせた。94年にはシンクタンク「日本政策研究所」を設立。CIAの顧問を務めるなどタカ派の論客として知られていたが、晩年は「アメリカ帝国の悲劇」「アメリカ帝国への報復」などでアメリカの覇権主義、軍事優先主義を厳しく批判。沖縄の普天間基地問題では「アメリカは米軍普天間飛行場をアメリカの基地に移設し、沖縄の人たちの65年間の辛抱に感謝すべき」と主張していた。