サトウ・チュウリョウ。彫刻家。
2011年3月30日、第二次世界大戦後の日本の具象彫刻を代表する一人で「帽子・夏」などの帽子シリーズや子供の連作などで親しまれた彫刻家の佐藤忠良さんが、老衰のため死去。98歳。
1912年7月4日、宮城県生まれ。父の死で幼少期を北海道の夕張で過ごした。20歳で上京後、川端画学校に学んだが彫刻を志すようになり、東京美術学校(現・東京芸術大学)彫刻科で朝倉文夫らに師事。39年新制作派協会(現・新制作協会)彫刻部の創立会員となるが、44年に徴兵される。3年間のシベリア抑留を体験し、48年帰国。以後、新制作派展に「群馬の人」「帽子・夏」「若い女」「ボタン」などを出品。現代日本美術展、日本国際美術展にも出品し具象彫刻の第一人者となった。81年にはフランス国立ロダン美術館で日本人作家として初の個展を開くなど、国際的にも高い評価を得た。また、東京造形大学などで後進の育成にあたったほか、小中学校向けに独自の図工・美術教科書を編纂。絵本「おおきなかぶ」(福音館書店、1966年刊)など、児童書の挿絵でも知られる。女優の佐藤オリエは長女。