ウエヤマ・シュンペイ。哲学者。
2012年8月3日、独創的な国家論や文化論を展開し、故・梅棹忠夫らとともに「新京都学派」と呼ばれた哲学者で京都大学名誉教授の上山春平さんが、パーキンソン病のため死去。91歳。
1921年1月16日、日本統治下の台湾生まれ。43年に京都大学文学部哲学科を卒業後、予備士官として海軍に入り、人間魚雷「回天」の特攻隊員として2度出撃した経験を持つ。戦後、京都大学人文科学研究所教授となり、のちには所長を務めた。京大退官後は京都国立博物館長、京都市立芸大学長などを歴任。94年文化功労者。哲学の視点から国家・天皇制、照葉樹林文化など日本という国の特性を論じ、民族学者の梅棹忠夫らとともに「新京都学派」と呼ばれた。著書に「大東亜戦争の意味」「神々の体系」「埋もれた巨像」「空海」「天皇制の深層」などがある。