オオカワ・イサオ。CSK名誉会長、セガ会長兼社長。
3月16日、セガ、アスキーなど数々のIT関連企業を傘下に収め、ネット時代到来の夢を追い求めたベンチャーのパイオニア、大川功氏が、心不全のため東京都新宿区の病院で死去。74歳。
26年、大阪市出身。48年に早稲田大学専門部を卒業後、タクシー会社や計算代行業などの経営を経て、68年にコンピューターサービス(現CSK)を創業。社員数わずか十数人ではじめたシステムソフト開発のベンチャー企業を、情報処理の最大手に育て上げ、ソフト会社初の株式店頭公開へと導いた。84年にはアメリカ系のゲーム会社セガ・エンタープライゼス(現セガ)を買収、98年には情報関連出版大手のアスキーを子会社化し、傘下の30数社で売上高1兆円を超えるIT関連企業グループを形成した。
セガの家庭用ゲーム機「ドリームキャスト」の売れ行き不振で、00年4月に私財500億円を投じてセガの第三者割当増資を引き受け、同年6月に社長に就任、セガの再建に取り組んでいたが、同年7月に食道がんが見つかった。01年1月には、さらに850億円の私財をセガに贈与すると発表し、最後までセガ再建に情熱を傾けていたが、ドリームキャスト事業からの撤退に追い込まれた。