クボタ・イッチク。染織工芸家。
4月26日、染織工芸家の久保田一竹さんが、多臓器不全のため死去。86歳。
1917年、東京生まれ。14歳で友禅師に入門。37年、20歳のとき、東京国立博物館で見た室町時代の「辻が花染」の小裂(こぎれ)に魅了され、復元を決意する。戦争による応召、抑留、復員を経て、手描友禅で生計をたてながら40歳のときに本格的に辻が花の研究に着手。20年もの研究の末、独自の技法による辻が花染の再現に成功。「一竹辻が花」と命名し、77年、東京で初の個展を開催。以来、国内はもとより欧米の美術館、博物館でも数多くの展覧会が開催され、その芸術的な作品は評判を呼んだ。90年にはフランス芸術文化勲章シェヴァリエ章を受賞。94年には、自ら久保田一竹美術館を建設し話題となった。