コマツ・チコウ。寂光院住職。
12月24日、女性として初めて天台宗最高位の大僧正となった寂光院住職の小松智光さんが老衰で死去。93歳。
1910年、滋賀県生まれ。30年四度加行(けぎょう・準備的な修業のこと)、34年得度。比叡山専修院大学課程修了後、45年から寂光院門主(もんしゅ・住職)。88年には中島湛海尼と共に、天台宗1200年の歴史で初めて女性の大僧正となった。佐佐木信綱や川田順に和歌の指導を受けた門主が境内に立てた自作の立て札のファンも多い。また拝観料でいただける「寂光院由緒書」と名付けられたパンフレットの絵や本文も門主の作。寂光院は2000年5月に放火により本堂が全焼し、安置していた重要文化財「木造地蔵菩薩立像」(1229年作)など仏像3体が焼損。門主はこのことに強い衝撃を受けたが、その復元に尽力していた。著書に「わが思う ブッダと平和への道」、共著に「寂光院 京の小寺から」がある。