サー・エドワード・ヒース。Sir Edward Heath。政治家。
7月17日、イギリスを欧州連合(EU)の前身である欧州共同体(EC)に加盟させた、エドワード・ヒース元首相が老衰のため死去。89歳。
1916年、イギリス・ケント州生まれ。大工の息子として生まれ、オックスフォード大学バリオル・カレッジ卒業後、イギリス陸軍に入隊。除隊後はイギリス民間航空省に勤務し、50年に下院議員に初当選。65年労働者階級出身ながら、保守党党首に就任。70年から首相を1期4年務め、73年国内外の反対を押しきって欧州共同体(EC)への加盟を果たした。しかし、石油価格の高騰、ストライキや労働争議の多発でイギリス経済が不安定になり、74年に事態打開のために行った2度の総選挙でウィルソンの労働党に敗れた。翌75年の保守党党首選ではマーガレット・サッチャーに敗北。サッチャーは4年後に史上初の女性首相となったが、積極的欧州関与派のヒース元首相は一貫して欧州統合に消極的なサッチャー首相の方針に批判的だった。92年、ナイト爵の最高位ガーター勲位を授与され、01年に政界を引退した。