サカタ・トウジュウロウ。本名、林宏太郎。前名、3代目中村鴈治郎。歌舞伎役者。
11月30日、人間国宝・中村鴈治郎改め坂田藤十郎の襲名披露が京都・南座の「顔見世興行」で幕開け。
1931年、京都府生まれ。父は故・2代目中村鴈治郎。9歳の時に2代目中村扇雀を襲名し初舞台。53年、「曽根崎心中」のお初役で父と共演を果たし、「扇雀ブーム」を巻き起こした。81年、初代坂田藤十郎や近松門左衛門に代表される上方歌舞伎の復興を目指し「近松座」を結成。以後、近松作品を年間1~2本上演。また、84年にアメリカのニューオーリンズ河川博公演、88年の北米歌舞伎公演では芸術監督を務めるなど、海外へ向けて積極的に歌舞伎を発信。その功績がたたえられ、ニューオーリンズ名誉市民賞、ワシントン州民賞などを受賞した。90年に3代目鴈治郎を襲名し、94年人間国宝に。新たに襲名した坂田藤十郎という名跡は、1774年に3代目が没してから231年の間継承されていなかった。新・坂田藤十郎の屋号は山城屋で、紋は星梅鉢。ちなみに妻は扇千景参議院議長。