イイジマ・カズイチ。作家。
2008年12月22日、江戸時代初期に起きた島原の乱を、独自の視点で描き出した飯嶋和一さんの小説「出星前夜」が第35回大佛次郎賞を受賞 。同賞は「天皇の世紀」を朝日新聞紙上に連載中に死去した作家・大佛次郎の業績をたたえて1973年に創設された賞で、形式のいかんを問わず、優れた散文作品に贈られる。
1952年、山形県生まれ。83年の「プロミスト・ランド」で第40回小説現代新人賞、88年に「汝ふたたび故郷へ帰れず」で第25回文藝賞を受賞。94年長編第一作となる「雷電本紀」を発表。以後「神無き月十番目の夜」、第6回中山義秀文学賞受賞作となった「始祖鳥記」を発表。「始祖鳥記」は 2001年版の「このミステリーがすごい!」のベスト5にもランクインし注目を浴びた。寡作だが骨太でスケールの大きな作風で知られる。他の作品に受賞作と同じく長崎を舞台にした「黄金旅風」がある。