ポール・サミュエルソン。Paul Anthony Samuelson。経済学者。
2009年12月13日、20世紀を代表する経済学者の1人で、アメリカ人初のノーベル経済学賞受賞者、ポール・サミュエルソンさんが死去。94歳。
1915年5月15日、アメリカのインディアナ州生まれ。シカゴ大学を卒業後、ハーバード大学大学院で41年に博士号を取得。47年にマサチューセッツ工科大学教授に就任。48年の著書「経済学」は、経済学の教科書として約400万部という世界的なベストセラーとなった。自由な経済活動に重きを置く新古典派経済学と、ケインズ経済学を融合した「新古典派総合」と呼ばれる理論を確立。数式を駆使する手法を経済学に持ち込み、「近代経済学の父」とも呼ばれた。60年代アメリカのケネディ政権で経済顧問を務めるなど、アメリカ民主党の理論的支柱の1人として活躍し、70年に第2回ノーベル経済学賞を受賞。70年代以降は存在感が薄れていたが、2008年秋の金融危機以後、再び注目を集めていた。規制緩和推進から政府の市場介入推進に立場を変えたオバマ政権のローレンス・サマーズ国家経済会議(NEC)委員長は、おいに当たる。