オバタ・キンジ。劇作家、演出家。
2011年2月17日、上演回数900回を超える「三婆」などの東宝現代劇や劇団民藝に書き下ろした「熊楠の家」などで知られる劇作家で演出家の小幡欣治さんが、肺がんのため死去。82歳。
1928年6月12日、東京生まれ。工業高校卒業後、さまざまな職業を転々としながら劇作に励み、50年「蟻部隊」でデビュー。56年「畸型児(きけいじ)」で新劇戯曲賞(現・岸田國士戯曲賞)を受賞。テレビの仕事を経て、菊田一夫に誘われ65年東宝と専属契約を結び、「あかさたな」「三婆」「恍惚の人」など多くのヒット作を手がけた。78年「喜劇・隣人戦争」で芸術祭大賞を受賞。95年から劇団民藝に「熊楠の家」「根岸庵律女」「喜劇の殿さん」など新作を書き下ろし、2010年には「神戸北ホテル」で鶴屋南北戯曲賞を受賞。同年10月に民藝が上演した「どろんどろん」が最後の作品になった。著書に戯曲集や「評伝 菊田一夫」などがある。