オダ・ミノル。宇宙物理学者。東京情報大学学長。
3月1日、X線天文学をリードしてきた小田稔博士が心不全のため、東京都渋谷区の病院で死去。78歳。
23年、札幌市生まれ。44年、大阪大学理学部卒業。太陽電波、宇宙線、X線天文学を研究。大阪市立大学助教授を経て、53年にマサチューセッツ工科大学(MIT)に留学。帰国後、東京大学原子核研究所教授。63年、MIT教授。MIT教授時代に、X線を放射するブラックホールや中性子星などの天体を観測する独創的な装置「すだれコリメーター」を発明し、白鳥座のブラックホールをはじめ、新しい星を数多く発見して内外で高い評価を得る。79年、東京大学宇宙航空研究所教授として、日本初のX線天文衛星「はくちょう」の打ち上げ、86年には、天文衛星を使ったハレー彗星の国際共同研究を成功に導いた。文部省宇宙科学研究所所長、理化学研究所理事長などを歴任。66年仁科記念賞、75年日本学士院賞・恩賜賞、93年文化勲章、97年勲一等瑞宝章などを受けた。愛称は「星の王子さま」