ハラ・ショウコ。本名、糸井治子。女性舞楽家。
10月7日、男性中心の舞楽界に参入し、失われていた女性舞楽を復権させた原笙子さんが急性骨髄性白血病で死去。72歳。
1933 年、京都府生まれ。中国東北部の大連で育ち、47年に日本に引き揚げる。新制中学卒業後、21歳からは宮内庁で楽師を務めた豊昇三より舞楽の指導を受け、55年からはみずからも指導の道を歩み始める。 57年、父の石葭城とともに、女人舞楽「京都舞楽会」を設立。忘れ去られていた女性による舞楽の復活に尽力し、男性社会であった舞楽の世界に新風を吹き込んだ。85年、女人舞楽「原笙会」を主宰。公開講座や自主公演を重ね、舞楽の普及に務めた。その波乱に富んだ半生をつづった「不良少女とよばれて」はベストセラーとなり、テレビドラマ化もされている。著書はほかに「山羊の目の先生」など。