スギウラ・ビンスケ。旧日本長期信用銀行元頭取。
1月27日、日本長期信用銀行(現・新生銀行)の元頭取で「長銀のドン」と呼ばれた杉浦敏介さんが、急性心筋梗塞(こうそく)のため死去。94歳。
1911年、東京生まれ。東京帝国大学(現・東京大学)法学部を経て、35年に日本勧業銀行(現・みずほフィナンシャルグループ)に入行。52年、日本長期信用銀行の設立と同時に同行入りし、58年に取締役に就任した。専務、副頭取を経て、71年から78年まで頭取、89年まで会長を務め、不動産業やノンバンク、リース業への融資を積極的に促進。「長銀中興の祖」「長銀のドン」と呼ばれ、92年に取締役から退いた後も、相談役最高顧問として影響力を保持した。しかしバブル崩壊後には拡大した融資が不良債権となり、98年に長銀は経営破綻(はたん)。金融再生法により一時国有化されるなど、社会に大きな影響を及ぼし、経営機構の改革に伴って、杉浦さんも同年に相談役を退任した。