モーリス・ベジャール。Maurice Bejart。振付家。
2007年11月22日、モダンバレエ界の巨匠、モーリス・ベジャールさんが死去。80歳。死因は明らかにされていないが、かねてより心臓と腎臓の治療を受けていた。
1927年、フランスのマルセイユに、哲学者ガストン・ベジャールの息子として生まれ。14歳でバレエを始め、50年ごろから振り付けに専念。59年ベルギーの王立モネ劇場に委嘱された「春の祭典」で、鹿の交尾にヒントを得た官能的な振り付けを行い、バレエ界に衝撃を与えた。翌年ブリュッセルに「20世紀バレエ団」を設立し、斬新な作品を次々と発表。中でも赤い円卓の上で踊る主役(メロディー)を、群舞(リズム)が取り囲む「ボレロ」は、ジョルジュ・ドン主演の映画「愛と哀しみのボレロ」(81年)にもなった。87年以降は、スイスのローザンヌに本拠を移し、「ベジャール・バレエ・ローザンヌ」を主宰。親日家としても知られ、「仮名手本忠臣蔵」を題材にした「ザ・カブキ」、三島由紀夫からイメージを得た「M」、六代目中村歌右衛門にささげた「東京ジェスチャー」といった作品も残した。他の代表作に「さすらう若者の歌」「火の鳥」「レニングラードの想い出」などがある。