ドナルド・キーン。Donald Keene。日本文学研究者。
2008年10月28日、日本文学研究者でコロンビア大学名誉教授のドナルド・キーンら8人の文化勲章受章者が発表された。
1922年、アメリカのニューヨーク生まれ。18歳で「源氏物語」を読み日本文学に関心を持ち、コロンビア大学で角田柳作に師事。第二次世界大戦中は、語学将校として海軍の日本語学校で学び、ハワイなどで情報関係の軍務についた。戦後、同大学大学院で日本文学の研究を続け、ケンブリッジ大学、京都大学などでの研究生活を経て、60年からコロンビア大学教授。以後、1年の半分は日本で過ごしている。近松門左衛門、太宰治、三島由紀夫、安部公房を始め、万葉集から現代までの日本文学をまとめた「日本文学の歴史」全18巻を25年かけて執筆。86年にはコロンビア大学にドナルド・キーン日本文化センターを開設し、89年には同大の最高教授職に就任。研究活動や翻訳を通じて日本文学を海外へ広めた功績により、菊池寛賞(62年)、全米批評家協会賞(90年)などを受賞。2002年には文化功労者にも選ばれている。「日本人の西洋発見」「百代の過客」「明治天皇」など著書多数。