コムロ・ナオキ。評論家。
2010年9月4日、政治学や社会学など幅広い分野で活躍した評論家で東京工業大学特任教授の小室直樹さんが、心不全のため死去。77歳。
1932年9月9日、東京生まれ。京都大学理学部数学科卒業後、大阪大学大学院経済学研究科に進み中退、マサチューセッツ工科大学、ミシガン大学、ハーバード大学に留学。帰国後は東京大学大学院で政治学者の丸山真男らに師事。文化人類学、法社会学、計量政治学などを幅広く研究した。大学院修了後はそれらの社会諸科学の統合を目指し、主に在野の研究者として活動。80年に発表したソ連崩壊を予言する「ソビエト帝国の崩壊」がベストセラーとなり、その後の「アメリカの逆襲」もヒット。以後は評論家として活躍。大酒のみで狭小なアパートに暮らす奇行の人としても話題になった。2006年からは、かつて主宰した自主ゼミで指導した橋爪大三郎東京工業大学教授が副センター長を務める、東京工業大学世界文明センターの特任教授を務めていた。他の著書に「あなたも息子に殺される」「危機の構造」「韓国の悲劇」「田中角栄の呪い」などがある。