シバタニ・アツヒロ。分子生物学者。
2011年3月25日、日本の分子生物学の先駆者で、科学批判の思想家としても知られる柴谷篤弘さんが、肺炎のため死去。90歳。
1920年8月1日、大阪府生まれ。46年京都大学理学部動物学科卒。49年に渡辺格らと日本初の分子生物学研究組織と言える核酸研究会を作るなど日本の分子生物学の草創期より活躍。広島大学教授、オーストラリア科学産業研究機構分子生物学部門主席研究員、関西医科大学教養部教授、京都精華大学学長などを歴任した。科学者の社会的責任について言及する著作や、構造主義の考えを生物学に応用しようとする構造主義生物学の立場から、差別問題などについての発言で知られる。著書に「生物学の革命」「反科学論」「あなたにとって科学とは何か」「構造主義生物学原論」「反差別論」「科学批判から差別批判へ」などがある。