ジョバンニ・アニェリ。Giovanni Agnelli。フィアットグループ名誉会長。
1月24日、イタリア最大の民間企業、フィアットグループのジョバンニ・アニェリ名誉会長が、死去。81歳。
1921年、イタリア・トリノ生まれ。名門自動車メーカー、フィアットの創業者の孫。トリノ大学卒業後、22歳の若さで副社長として入社。63年に社長就任、66年から30年に渡り会長を務め、96年から名誉会長。フィアットグループを、一自動車メーカーから、金融、エネルギー、メディアなどを含む複合企業体として、イタリアのGDP(国内総生産)の約5%を占めるまでに育て上げた。また、イタリア経済界を代表する実力経営者として、政界にも強い影響力を持った。セリエAの名門サッカーチーム、ユベントスの会長を務めたこともあり、プラティニやジダンを獲得してユベントス黄金時代を作りあげた。しかし、自動車メーカーの国際的再編の波に乗り遅れ、2000年にようやくアメリカ・GMの出資を受け入れたものの、合理化の遅れから、中核事業の自動車部門は経営危機に陥ったが、同部門の売却を拒否。そのため、リストラの足かせとみなされ、死亡説が流れるたびにフィアット株が上昇していた。