ニシムラ・コウチョウ。仏像彫刻家。
12月2日、国宝・重要文化財の仏像修復に力を尽した西村公朝さんが、急性心不全のため死去。88歳。
1915年、大阪府生まれ。東京美術学校(現・東京芸術大学)彫刻科を卒業し、41年美術院国宝修理所に入所。59年から75年まで同所所長、74年から東京芸大教授。仏像研究や文化財の保存修復に力を尽くし、三十三間堂千手観音像、学生に指を折られた広隆寺弥勒菩薩像など国宝級の仏像約1300体の修復に携わり、後継者の育成に努めた。仏像彫刻家としても比叡山戒壇院の本尊釈迦如来像などを制作。52年に得度。55年愛宕念仏寺住職となり、五百羅漢像造りを呼びかけるなど、仏像の魅力を広く一般にも紹介。仏像マニアでもある、みうらじゅんとの共著「仏像通―仏像に個性を見つける愉しみ 見聞塾」などの解説書も数多く執筆した。