サダム・フセイン。Saddam Hussein。元イラク大統領。
12月13日、イラクのティクリート近郊の農家に潜伏していたフセイン元大統領がアメリカ軍に拘束された。
1937年、イラク・ティクリート近郊生まれ。57年バース党に入党。59年、前年ファイサル王制をクーデターで倒したカセム首相の暗殺未遂事件を起こし、エジプトに亡命中、死刑判決を受ける。63年バース党の政権奪取でイラクに帰国したが、9カ月後に政権が崩壊。逮捕投獄されたが3年後に釈放。68年再びバース党政権が誕生すると、革命指導評議会副議長となった。79年、バクル大統領の辞任に伴い大統領に就任。反体制派、特に南部のイスラム教シーア派を強硬に弾圧し、独裁体制を構築した。80年にはイラン・イラク戦争を開始。この際、反体制少数民族のクルド人を殺戮したとされる。88年に終結したイラン・イラク戦争で経済が疲弊したイラクは、90年クウェートに侵攻するが、翌年の湾岸戦争で敗退。しかし、その後の国内シーア派の反乱を鎮圧し、独裁体制は揺るがなかった。2003年3月20日、米英軍がイラク攻撃を開始。4月9日バグダッドは陥落し、5月1日にはブッシュ大統領が戦闘を終結宣言したが、フセイン元大統領は行方不明のままだった。