スギモト・ケンキチ。画家。
2月10日、吉川英治作「新・平家物語」など歴史小説の挿絵でも知られる画家の杉本健吉さんが、肺炎のため死去。98歳。
1905年、愛知県生まれ。旧制愛知県立工業学校図案科を卒業、25年ころから京都で岸田劉生に師事し、油絵を学んだ。50年から57年まで「週刊朝日」連載の吉川英治作「新・平家物語」の挿絵を担当。挿絵画家としての地位を確立した。吉川作品では「私本太平記」「新・水滸伝」なども担当。83年には大阪・四天王寺に6年がかりで聖徳太子を描いた7面の障壁画「聖徳太子絵伝」を完成。87年には愛知県に杉本美術館が開館した。杉本さんは白寿を記念して、法要などで使われる旗「幡(ばん)」の展覧会を計画。アトリエや自宅で最近まで精力的に制作活動を続けていた。「新・平家画帖」「墨絵奈良」「海外スケッチ」など多数の画集がある。