ジャック・デリダ。Jacques Derrid。哲学者。
10月9日、20世紀を代表するフランスの哲学者、ジャック・デリダさんが、膵臓がんのため死去。74歳。
1930年、アルジェリア生まれ。49年にフランスに移住。パリの高等師範学校(エコール・ノルマル)哲学科を卒業後、ソルボンヌ大学講師や高等師範学校教授などを歴任。84年には、ミッテラン大統領の要請により国際哲学院を創設し、初代院長に就任。プラトンからハイデガーまでの西洋の伝統思想を支配するロゴス(言葉)中心主義(音声中心主義)として批判。「ディフェランス(差延)」「脱構築」などの新しい概念を用い、ポスト構造主義の旗手として哲学界に大きな影響を与え、哲学だけでなく文学批評、政治思想、精神分析など幅広い領域で活躍。著書に「エクリチュールと差異」「伝搬」「声と現象」「グラマトロジーについて」など多数。日本へもしばしば訪れ、M.フーコーらと並び、構造主義以降の思潮に大きな影響を与えた。