タムラ・タカヒロ。俳優。
5月16日、阪妻(バンツマ)の愛称で知られる時代劇の名優阪東妻三郎の長男で、自身も俳優として活躍した田村高廣さんが、脳こうそくのため死去。77歳。
1928年、京都府生まれ。父は時代劇の大スターだった阪東妻三郎、俳優の田村正和と田村亮は実弟。52年、同志社大学経済学部を卒業した後、商社に勤める。しかし、翌53年、父が急逝し、周囲の勧めにより松竹に入社する。54年、木下恵介監督の「女の園」でデビューし、同年の「二十四の瞳」での好演により高い評価を得る。64年にフリーとなり、65年の「兵隊やくざ」では勝新太郎と共演、対照的な演技が光り、ブルーリボン男優助演賞を受賞。自身が代表作と言っていた81年の「泥の河」では毎日映画コンクール最優秀男優演技賞を受賞した。奔放な演技が持ち味だった父と違い、繊細で知的な演技が持ち味で、名脇役として活躍した。