ヤマナカ・シンヤ。京都大学再生医科学研究所教授。
2007年11月26日、ドイツがん研究センター(DKFZ)は、がん研究で成果を挙げた人物に与える「マイエンブルク賞」を、ヒトの皮膚から様々な臓器や器官を形成する人工多能性幹細胞(iPS細胞)を、世界で初めて作ることに成功した、京都大学再生医科学研究所の山中伸弥教授に授与することを明らかにした。
1962年、大阪府生まれ。神戸大学医学部卒業後、国立大阪病院整形外科の臨床研修医として働いていたが、重症のリウマチで全身の関節が変形した患者の姿を見てショックを受け、重症患者を救う手立てを研究するために、研究者に転身。アメリカのグラッドストーン研究所、奈良先端科学技術大学院大学遺伝子教育研究センター教授などを経て、2004年から現職。奈良先端科学技術大学院大学の勤務当時に、受精卵を使わずに万能細胞を誕生させる研究を始め、06年マウスの皮膚から、様々な組織に育つ能力を持つ人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作ることに成功。07年6月「ニューヨーク・タイムズ」が、この業績を“驚くような進展”と絶賛。同年10月、新しく発足した物質・細胞統合システム拠点教授を兼任。同年11月20日、ヒトの皮膚から「iPS細胞」を作ることに成功した、とアメリカ科学誌「セル」電子版に発表し、世界的に大きな反響を呼んだ。