タナカ・トクゾウ。映画監督。
2007年12月20日、「眠狂四郎」「座頭市」「兵隊やくざ」など、1960年代の大映の看板シリーズを手がけた映画監督の田中徳三さんが、脳出血のため死去。87歳。
1920年、大阪府生まれ。48年に大映京都撮影所に助監督として入社。溝口健二監督の「雨月物語」「近松物語」、黒沢明監督の「羅生門」などに携わった。58年、「化け猫御用だ」で監督デビュー。「現代的感覚」と評される演出力で、市川雷蔵主演の「眠狂四郎」シリーズ、勝新太郎主演の「悪名」「座頭市」「兵隊やくざ」などのシリーズを手がけ、黄金期と呼ばれる大映の60年代を支えた。71年の大映倒産後はフリーとなり、テレビ時代劇「鬼平犯科帳」「剣客商売」などを演出。2007年には河内家菊水丸の監督作品「田中徳三監督 少年河内音頭取り物語」の劇中劇を32年ぶりに演出し、健在ぶりを見せていた。