モリグチ・カコウ。本名・平七郎。友禅作家。
2008年2月20日、蒔糊(まきのり)技法で知られる友禅作家で、人間国宝(重要無形文化財保持者)の森口華弘さんが、老衰のため死去。98歳。
1909年、滋賀県生まれ。薬剤師になるため、京都にある遠縁の薬局で働きながら夜学に通っていたが、15歳で京友禅師・中川華邨に師事し、30歳で独立。漆芸の蒔絵の技法を参考に、糊の粒を生地(きじ)全面にまき、点描画のように色を重ねる独創的な蒔糊技法を考案。55年の第2回日本伝統工芸展で朝日新聞社賞、翌年の同展で文化財保護委員会委員長賞を受賞。67年に人間国宝に認定された。87年に脳梗塞で倒れたが、リハビリで克服。93歳まで伝統工芸展に出品を続けた。代表作は「梅林」「早春」「四季の梅」。2007年には、次男の邦彦さんも重要無形文化財「友禅」の保持者に認定され、工芸分野で初の親子2代の人間国宝となった。