シライ・ヨシオ。元プロボクシング世界フライ級王者。
12月26日、プロボクシングの日本人初の世界王者、白井義男(ボクシング評論家)が肺炎のため死去。80歳。
1923年、東京生まれ。43年に拳道会に入門。2週間後にプロボクサーとしてデビューし、1回KO勝ちで制する。戦前は8戦全勝。その直後、戦争に召集され整備兵として海軍に入隊。46年拾い集めた布で縫ったリングシューズで現役復帰をしたが、軍隊生活で腰を痛め成績は低迷。48年に連合軍総司令部(GHQ)天然資源局勤務のアルビン・R・カーン博士と出会い、博士の「科学的ボクシング」により才能が開花し、急成長。49年1月日本フライ級王座、同12月に同バンタム級王座を獲得した。52年5月、世界フライ級王者ダド・マリノ(アメリカ)を判定で下し、日本人初の世界王者となり、敗戦後、自信を失っていた日本人に勇気を与えた。その後、4度の防衛に成功し、54年パスカル・ペレス(アルゼンチン)に判定負け、55年の再戦でKO負けをし引退。通算成績は72戦50勝(22KO)9敗4分け9EX(エキシビション)。引退後は解説者として活躍。身寄りのないカーン博士を引き取り最後まで看取った。