チン・スイヘン。Chen Shui-bian。台湾総統。
3月20日、台湾の総統選挙が行われ、即日開票の結果、民主進歩党(民進党)の現職、陳水扁総統が勝利宣言した。
1950年、台湾・台南県生まれ。虚弱な乳児だったため、貧しい農民だった両親は出生の届け出を遅らせ、身分証明書の上では51年生まれになっている。台湾大学商学部に入学するが、法学部を受験し直し首席で卒業。在学中には、当時最年少で弁護士資格を得た。79年、台北市市議に当選、また戒厳令下の警備当局と衝突した「美麗島事件(高雄事件)」の関係者を弁護。この時の逮捕者には後の民進党幹部が多数含まれており、呂秀蓮副総統もそのひとり。85年には呉淑珍夫人が政治テロで下半身不随となり、86年には主宰する雑誌をめぐり自身も投獄された。立法委員(国会議員)、台北市長を経て、2000年に総統に当選し、民進党を初めて政権の座につけた。今回の総統選挙投票日前日の19日、陳総統と呂副総統が遊説中に銃撃を受けて負傷するという事件が起こったが、幸いにも軽傷ですみ、陳総統は小差で再選を果たした。しかし、国民党の連戦主席など野党側は得票差の10倍以上の33万票の無効票が出たことで再集計を要求。3月31日、陳総統は再集計に同意したが、野党側は当選無効訴訟を起こしている。