ヒラオカ・トクヨシ。フランス文学者、作家。
5月18日、文学者で文芸評論家、作家の早稲田大学名誉教授、平岡篤頼さんが、虚血性心疾患のため死去。76歳。
1929年、大阪府生まれ。52年早稲田大学仏文科卒業後、57年から3年間フランス政府給費留学生としてパリ大学(ソルボンヌ)に留学。61年早大大学院博士課程修了後、同大学講師、助教授を経て、70年教授。クロード・シモン「フランドルへの道」の翻訳によりクローデル賞を受賞するなど、近・現代の仏文学を専門とし、バルザックやロブ=グリエなど、多くの翻訳作品がある。早大に小説家などを養成する文芸専修コースを創設するのにかかわり、20年にわたり「早稲田文学」発行人を務めるなど多くの作家を育てた。また、現代日本文学の批評家としても活躍、小説家として芥川賞候補にもなった。評論集に「変容と試行」「迷路の小説論」、小説に「消えた煙突」「薔薇を喰う」などがある。