ゴトウ・エイイチ。物理学者、コンピューター研究者。
6月12日、コンピューター国産化のパイオニアとして知られる後藤英一さんが、心筋梗塞のため死去。74歳。
1931年、東京生まれ。成蹊高等学校を卒業後、東京大学理学部物理学科に入学。東京大学大学院修了後、同大助手、助教授を経て東京大学理学部教授に就任し、理化学研究所主任研究員、神奈川大学理学部教授などを歴任。大学院生時代の54年に、真空管に代わってコンピューターの基本動作原理をつかさどる新しい論理素子「パラメトロン」を発明。58年にはパラメトロンを利用したコンピューター「PC-1」を製作した。トランジスターの技術向上に演算速度が追いつかず60年代前半に開発中止となったが、パラメトロン・コンピューターは日本独自の技術として世界の注目を集めた。また、計算理論に関しても日本のリーダー的な存在だった。著書に「記号処理の基礎と応用」がある。