ナムジュン・パイク。Nam June Paik。本名、白南準。ビデオ・アーティスト。
1月29日、ビデオ機器と映像を素材とした独自の作品で、「ビデオ・アートの父」と呼ばれた韓国系アメリカ人のナムジュン・パイクさんが死去。73歳。
1932年、韓国のソウル生まれ。50年、朝鮮戦争を逃れ日本に渡る。56年、東京大学文学部美学美術史学科を卒業。その後、西ドイツ(当時)のミュンヘン大学、フライブルグ高等音楽院で音楽を学んだ。この頃、アメリカの前衛音楽家のジョン・ケージと出会い、前衛芸術集団「フルクサス」に参加。演奏で使った楽器を破壊する過激なパフォーマンスを演じた。63年、西ドイツで初個展を開催。ビデオ機器を使用した実験的な作品で話題になり、翌64年からはニューヨークへ拠点を移し、5カ国語を駆使して世界各国で活動を展開した。84年、パリとニューヨークを衛星回線で結んだ映像作品「グッドモーニング、ミスター・オーウェル」を発表。96年に脳梗塞(のうこうそく)で倒れ半身不随になるが、その後も創作活動を続けた。妻は、日本人アーティストの久保田成子。