タカギ・トウロク。作曲家。
8月25日、クラシックからポピュラー音楽まで手がけた作曲家で、音楽番組の審査員などでも人気だった高木東六さんが、肺炎のため死去。102歳。
1904年、鳥取県米子市生まれ。東方正教会の神父であった父の影響で音楽に親しみ、22年に東京音楽学校(現・東京芸術大学)ピアノ科に入学するが、その後、中退。フランスに留学し、パリ国立音楽院のアルマン・フェルテ、パリ・スコラ・カントルムのポール・ブローとヴァンサン・ダンディに師事してピアノや作曲を学び、32年帰国。留学中に「赤とんぼ」などで知られる作曲家の山田耕筰と知り合い、山田の勧めで作曲家に転向した。
代表作は、朝鮮の民族音楽を採譜し作り上げたオペラ「春香」(48年)や、二葉あき子が歌ってヒットした「水色のワルツ」(50年)などで、作曲作品は約2000曲にも上る。
テレビ番組「あなたのメロディー」(NHK)や「家族そろって歌合戦」(TBS系)では、辛口かつユーモアのある審査員として人気を博した。エッセー『愛の夜想曲』など、文筆家としても活躍し、60歳以上の女性による合唱団「ザ・シワクチャーズ横浜」を率いて90歳を過ぎても現役で活動していた。