ドナルド・キーン。Donald Keene。日本文学研究者。
2012年3月8日、日本文学研究者でコロンビア大学名誉教授のドナルド・キーンが、日本国籍を取得し、1974年から暮らす東京都北区で記者会見。自身で考えた雅号は「鬼怒鳴門」、戸籍名はキーン ドナルドとなる。
1922年6月18日、アメリカのニューヨーク生まれ。コロンビア大学で日本語を学びはじめ、第二次世界大戦中は、海軍日本語学校で学んだあと情報関係の軍務についた。戦後は、コロンビア大学大学院で近松門左衛門を研究し、京都大学にも留学。55年から92年までコロンビア大学教授。日本文学の研究、海外への紹介などの功績により、菊池寛賞、山片蟠桃賞、全米文芸評論家賞などを受賞。2008年11月には文化勲章も受章した。長年の間、アメリカの大学で半年間教え、残りの半年を日本で過ごしてきたキーンは、11年4月にコロンビア大学での最終講義を迎えることもあり、日本永住を決意、国籍取得手続きを進めてきた。自身で考えた「鬼怒(キーン・ド)鳴門(ナルド)」という雅号の入った名刺を北区から贈られたキーンは、会見に集まった報道陣に「(漢字の名刺は)人を笑わせるために使いたい」と述べた。