バンドウ・タマサブロウ。本名、守田伸一。歌舞伎俳優。
2012年7月20日、文化審議会は現代歌舞伎を代表する女形の坂東玉三郎ら4人を重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定するよう、文部科学省に答申。近く答申通り認定される予定。
1950年4月25日、東京都生まれ。幼いころから舞踊を習い、57年に坂東喜の字(きのじ)の芸名で初舞台を踏む。64年6月に14代目守田勘弥(かんや)の芸養子となり、歌舞伎座で5代目坂東玉三郎を襲名。70年代前半には“玉三郎ブーム”を巻き起こすなど、美貌の若女形として人気をあつめ、「桜姫東文章(さくらひめあずまぶんしょう)」の桜姫役、「助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)」の揚巻(あげまき)役、「壇浦兜軍記(だんのうらかぶとぐんき)」の阿古屋(あこや)役など、数々のヒロインを務め立女形(たておやま)としての地位を確立した。商業演劇や映画監督などの分野でも活躍している。歌舞伎女形は68年に重要無形文化財として指定されたが、2012年2月に人間国宝の4代目中村雀右衛門さんが他界し、指定が解除されたばかり。今回の復活指定で玉三郎がその保持者として認定される。